タッピンねじ選定の基礎

JIS B 1122(付属書)には、6種類のタッピンねじ、ねじ部がある。

国際規格の本体規格のJIS B 1122では、ねじ部の種類は3種類で、ピッチは同じで、ねじの先端形状が違うだけである。

国内流通品は付属書のタッピンねじ

生産ラインや、設計開発部門が海外にあるねじユーザーは要注意である。
付属書JISで制定されるタッピンねじは、
1:1種(Aタイプ) 若干幅広ピッチでトガリ先
2:2種(Bタイプ) 万能タイプ
3:3種(Cタイプ) 小ねじと同じピッチ
4:4種(ABタイプ) 2種と同じピッチでトガリ先
5:2種溝付き(B1タイプ) 非締結物が硬い物へ使用
6:3種溝付き(C1タイプ) 非締結物が硬い物へ使用

2種(Bタイプ)
4種(ABタイプ)

とがり先、平先には設計者の意図があります。
とがり先は、一般的に下穴とバカ穴のずれが生じても締結時の負担が少ない。
半面、配線などへの傷でショートなどの不安材料アリ。
平先は、非締結物への損傷減だが、下穴とバカ穴の揃えが必要。

JIS付属書は日本人および、日本のねじ市場に慣れている人しか分からない世界のマイノリティねじである事を知っておく必要がある。

海外流通品はISO、JIS本体規格品

1:C型(先端とがり)
2:F型(先端フラット)
3:R型(先端とがり部分を丸く加工)

とがり先と先端フラットの使用特徴は付属書JISと同じ。
C,F,R型の3種類はねじピッチが同じである為、設計者がシンプルに考えやすい。
半面、より細かな設計が出来ない。

より詳細情報は、JIS規格に掲載されているので、参照されたい。
または、サイマの「トルク曲線解析セミナー」でもねじ部の違いについてトルクとの関係性を一部触れるので、セミナー参加へもお待ちします。

材質や、表面硬度でもトルク曲線が変化するので、注意が必要だ。

[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝