低頭系ネジのコラムが続いていますが、その第三弾です。

サイマコーポレーション製の「310スリム小ねじ」は在庫入手可能なねじで最も頭部高さが低いねじです。
M2サイズで0.5㎜の頭部高さ、薄さです。

前回のVol.19でも書きましたが、頭部高さを薄くすると、レンチとの勘合深さが必要になるので、
六角穴では不完全ネジ部が、半ねじの様になってしまう事を解説しました。

日本国内で極低頭と呼ばれるねじは、六角穴付きが多いです。
サイマ製の310スリムは星形のヘキサロビュラー穴を採用しています。
この星形リセスは、トルクスの名称が世界中で通りが良い名称です。
ISO、JIS規格の頭部リセスのの中で、最もトルク伝達が優れています。

トルク伝達に優れることは、ドライバー、ビット、作業工具との勘合性がより精密である事が必要になってきます。
勘合性が優れている事は、ドライバーとねじの勘合部分の遊びが少ないので、リセス深さを浅くしても、問題なく締結が出来ることを意味します。

従って、ねじ頭の首下r部分を小さく設計することが可能になり、一般的な小ねじやボルトと同じ不完全ネジ部長さを保つことが可能になります。

ただし注意が必要です。
サイマに寄せられている、お問い合わせの中に、
「サイマ製以外の超極低頭ねじを使って、あたま飛びが起きている」
「サイマ製以外のネジで、頭部リセスが破損して、ネジが取れない」
などの、情報が寄せられています。

頭部を薄くすることで、機能性を犠牲にするポイントが幾つか出てきますのでそのポイントの補強策をしっかりとらないと、
ネジとして100%の機能を出すことが難しくなります。

極低頭、超極低頭で、お困りごとを経験した時には、サイマコーポレーションへお問い合わせください。

[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝