前回コラムのナイロンナットが好評だったので、同じく
「JIS B 1056 プリベリングトルク形鋼製ナット」に分類される
Uナット(国内呼称で良く使用される)の特性に触れておきたい。
Uナットの名称は、富士精密殿の呼称。
ナット上部にフリクションリングを挿入した、ゆるみ止めナットである。
ヨーロッパでは、DIN980MやDIN980 typeMなどで一般流通しているナット。
Uナット、Self Locking Nut…..名称多数あり
特徴:ナット上部に金属製フリクションリングが圧入、ゆるみ後の脱落防止効果あり
注意点:
フリクションリングがボルトネジ部を傷つけるのでサビ注意
再使用時にフリクションリングの劣化に差があるので注意
トルク管理での軸力管理不可
フリクションリングの材質に注意(特にステンレス製)
規格
JIS B 1056 プリべリングトルク形鋼製ナットに記載がありますが、外寸法掲載は無いので要注意。
ヨーロッパでは、DIN980M、DIN980typeMと各イズの寸法を明記した規格品が流通。
筆者の経験では、製造メーカー毎にフリクションリング形状に差があるので、
締め付け管理のバラツキが大きいのと、再使用時(お勧めはしない)のフリクションリングの劣化具合に大きな差。
ボルトの中間地点でもロックされるので、ゆるみ後のナット自体の落下が無い。
日本国内でも海外でも、製造メーカーが乱立。
名称、呼称も多数存在するので、採用前には供給者との打ち合わせをお勧めします。
[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝