ゆるみ関しての掘り下げコラムは、反響が大きいのでしばらく継続します。
ゆるみ止め商品、加工は、かなりの種類がある。
「めねじ商品」の、ナットの販売種類が国内外で多く見受けられる。
ボルトなどの「おねじ商品」では、在庫負担が大きいので、めねじのゆるみ止め商品は世界中に在庫がある。
しかし、日本での流通品は、海外生産工場では入手困難な物が多く見受けられる。
規格、サイズが違うものや、呼称が違うためだ。
ナイロンナット
世界中で製造、販売されている。
特徴:比較的安価、ゆるみ後の脱落防止効果あり、ナイロンがボルトを傷つけない、複数回数使用可能
注意点:ナイロンの劣化(紫外線、使用環境温度)、トルク管理不可、各国流通品の外寸法要注意
国内流通品はナット強度指定が無い(強度区分指定があるものが確認できなかった)。
ヨーロッパの流通在庫品は、強度6、8とISO規格の規定通り刻印が入っているナイロンナットが流通。
規格
JIS B 1056 プリべリングトルク形鋼製ナット
に記載がありますが、外寸法掲載は無いので要注意。
ヨーロッパでは、DIN985、DIN982と各サイズの寸法を明記した規格品が流通。
DIN985はナット高さが低く、DIN982は高いタイプ。
ナイロンナットだけでなく、プリべリングトルク形ナットは、締め付けトルク管理での軸力管理は出来ないが、
ボルトの中間地点でもナイロンリングのロック機能が発揮されるので、脱落しない。
従い、振動などで軸力低下しても、ナット自体は落下しない。
筆者の感覚だが、M10以上などの太径ボルトへの採用事例は少ないと思われる。
ナイロンの色も、各国、各地域で違うことが有るので、色彩を気にする場合には確認が必要である。
[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝