技術コラムをアップし始めて、読んで頂いている連絡を頂くと気分が上がってきます。
ありがとうございます。
ゆるみに関するリクエストが多少ありましたので、何回かに分けて論じたいと思います。
ゆるみの評価方法
- 緩まないねじは無い
- 緩みにくい、緩むまでに時間のかかるねじは存在する
これが、結論です。
「JISやISO規格などで評価試験はありますか?」と言うご質問を定期的に受ける。
規格上の試験があり、何かしらの数字を基にして、合否を決定すると言うプロセスを考える人がいる。
ゆるみの評価は、「比較試験」なので、複数の締結体を何かしらの試験を施して、その比較をする方法しか存在しない。
その何かしらの試験とは
・振動試験(NAS、ユンカーなど)
・ヒートサイクル試験
・暴露試験
などがある。
締結体から、ねじが脱落する時間を計測する。
締結体へ環境変化を施し残存トルクを計測、または軸力の低下を計測する。
私が個人的に経験した各試験では、ゆるみ対策のチャンピオンは無い。
振動試験でも、振動周波数を変更すると軸力低下する締結商品が存在する。
接着剤などで固定しても、軸力低下するケースも多発するので、ゆるみ試験に凝りすぎると、キリがない。
機構設計者が、AとBとをくっつけるには、
・ねじの使用
・リベット
・溶接
・圧着
・接着
・一体成型
などの方法があるが、「理由があって」ねじを選択している。
ねじの選択肢には「最後にはネジを外す」事にあるので、緩まなければならないのである。
ゆるみの評価には、設計者が何を最低限求めているのかを理解した上でゆるみ止め商品の選択をお勧めします。
ゆるみに関しては、何回かに分けてコラムをアップします。
*個別ゆるみ案件のご相談はお気軽にサイマへお問い合わせください。
[コラムニスト]
株式会社サイマコーポレーション
グループCEO & テクニカル・セールス
斎間 孝